部活と勉強の両立はできるのか?
私が中学・高校と通っていた(何年前のことでしょうね?)塾の先生は、
陸上・野球・剣道の3つの部活を掛け持ちでこなしていたそうです。
しかし、高校入試で失敗し、希望の高校へ進学できなかったのです。
高校では、勉強一筋で取り組む決意でスタートしたのですが、
中学での活躍は知られていて、結局、高校でも3つの掛け持ちでした。
先生のすごい所は、
「部活をやっているから勉強ができない。」というのは、
「部活を理由とした“逃げ”に過ぎない。」と自分に言い聞かせ、
「毎日6時間以上の勉強時間を必ず作って実行する。」と決め、
それを実行して、希望の某外国語大学に合格したのです。
ですから、私たちにも、
「やる以上、部活と勉強の両立は、当たり前です!」
と、何度も、繰り返して言い聞かせていました。
私たちの先輩も後輩も、その多くが運動系の部活をしていました。
それでも、皆が“しごかれて”、国公立大学へ進学していきました。
その塾の方針は、
「その日にやることは、明日に延ばすな!」
でした。
そのために先生は、夜中の2時・3時まで、学習指導してくれました。
今の中学生を見ていると・・・
今の中学生を見ていると、
①部活も勉強も、どちらもうまくできていない子、
②部活が中心で、勉強がおろそかになっている子、
③部活は適当で、勉強をがんばっている子、
④部活も勉強も、どちらもうまくできている子、
とさまざまです(当然ですけど、ね)。
③と④の子は、それほど問題はありません。
なにも「勉強しているからよい」という意味ではなく、
自己管理が意識的にできていると思われるからです。
③の子は、「部活を、自分が楽しむ二次的なこと」と
割り切っているのでしょう。意思を感じますよね。
④の子は、「強い意思で、自分を管理している」としか
思えません。
こういう子は、時間管理に長けているのでしょう。
ひょっとしたら、大人顔負けの密度の濃い時間の使い方を
しているのかもしれません。
部活も勉強も、どちらもうまくできていない子は?
①の子は、大きく2つに分かれるようです。
どちらも、一生懸命にやろうとしているのだけれども、
なかなかうまくいかないでいる場合です。
こういった子は、部活動が終わった夏休みから、
部活に注いできたエネルギーを、一気に勉強に注ぎ、
大きく成績を伸ばす可能性があります。
ただ、理解できていない項目が、あちらこちらにあるので、
理解度チェックをうまく利用して、
弱点分野を浮き彫りにして、
集中的に基本事項の確認を網羅的にするといいですね。
「理解すべきことは、理解してしまう!」
「覚えることは、覚えてしまう!」
というポイントを押さえて、勉強と取り組んでいただきたい。
その反面、部活も適当、勉強も適当、という子もいます。
こういった子は、勉強そのものに関心を持っていないので、
基礎の基礎からやり直さないと、どうにもなりません。
教科書の復習と、ワークの復習といった、
地味な学習が必要です。
いかに、関心を持たせて、基本的な学習をさせるか、
それができるかできないかによって、決まってしまいます。
部活が中心で、勉強がおろそかになっている子は?
こういった子は、部活が終われば、
成績は一気に上がることが多いです。
部活動で、精神的にも、肉体的にも、疲れてしまい、
とても勉強にエネルギーが向けられない子が多いからです。
こういった子が、勉強にエネルギーを注ぎ始めると、
一気に成績を伸ばすことが多いですね。
ただ注意したいのは、
充実した行動ができる部活動と違い、
無機質とも言える勉強で、ストレスを感じないように、
十分に注意を払うことです。
結構、一途に取り組む子がこのタイプで、
急激に変わってしまった環境に戸惑うかもしれません。
そこのあたりを、家族の方でフォローしてあげてください。
がんばれ!は負担になることもある
「がんばってやろうね!」「もう少し勉強もしようね!」は、
親にとっては“励まし”の言葉のつもりでも、
子にとっては“拷問”の言葉にもなります。
お子さんが、どのタイプなのかを見極めて、
励ましやアドバイスをしてあげないと、
逆効果になることもありますので、
十分な配慮が要求されます。
安易に接すると、取り返しが付かないことにも
なりかねませんので、
その子の観察を十分してから行動しましょうね。