大学受験の特効薬
大学受験に限らず、高校受験においても、
なかなか成績が上がらなくて、低迷している。
予備校(塾)とか、家庭教師に頼っても、
結果につながらなくて、悩んでしまう。
そんな受験生も多いことでしょう。
私が通っていた(何年前の話じゃ・笑)塾の先生が、
偏差値40前後で苦しんでいる生徒を救いました(スゴイ!)
生徒の特性を見極める!
A君とK君は、けっこうまじめに勉強しているのだけれど、
なかなか成績を上げることができません。
2人とも内気?なのか、先生に相談しないでいました。
基本的に、自分からアクションしないと対応してくれない先生なので、
じっと見守っていたのでしょうが、
ある日突然、「AとKは、塾長室へ来なさい!」と呼ばれました。
「A君、よくガンバっているけど、なかなか成果に表れないね。
どうすればいいと思っているのかい?」
「やるべきことは、きちんとやっているのですが、
試験では、わかるような気がするのですが、できないことが多いのです。」
「では、どうすれば、その状態を打開できるだろうか?」
「・ ・ ・ 。」
「君は集中力はあるのだけど、自分に自信を持っていないね。」
「K君、君は勉強にムラがあるようだね。どうだい?」
「僕は、やる気のある日と、そうでない日が、あるんです。
気分屋とは思っていないのですが、そうなんです。」
「K君はけっこう理論派だから、科目の配分を考えてみようよ。」
「でも、数学や理科は苦手なんですよ。」
「K君、自分でそう思っているだけじゃないのかな?」
意外な特効薬とは?
A君は、私立大学の経営学部を目指していました。
第一志望の偏差値は58で、かなり差がありました。
そこで、先生の指示が出ました。
「A君、君は7月と8月の2ヶ月間でこれをマスターしなさい。
学習量の7割をこれに集中させなさい。
完璧、というと大袈裟かもしれないけれど、
反射的に答えられるようになるまで、覚えてしまいなさい。」
先生が提示されたのは「日本史B一問一答」という小さな本です。
「夏休みを利用できるから、十分にできるよね?」
「はい、完璧に覚えてしまうまで、やります。」
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K君は、やはり私立大学の法学部が志望で、
望みが高く、第一志望は、偏差値60台の有名校です。
この時点では、志望校の変更を学校から伝えられていました。
「K君の志望校は、社会を数学に変更できたのだったね。」
「そうですが、僕は数学は苦手です!」
「そうかなぁ、先生はそうは思っていないんだけどね。
だまされたと思って、数学で受験してみなさいよ。
きっと、いい結果が出ると思うよ!」
「先生がそうおっしゃるのでしたら、やってみます!」
先生からの指示は「数学ⅠAチェック&リピート」という問題集でした。
「わかる問題は自分で解きます。
わからない問題は、ヒントを見てよし、ダメなら答を見てもよし。
とにかく3回りは、そんな取り組み方でいいよ。
4回目からは、自力でガンバって解けるようにしよう。
君も、夏休みを利用して、やり遂げてくださいね。」
「苦手意識があるので、できるかなぁ?でもやってみます!」
先生のねらいは?
A君は、満遍なく勉強はするのですが、勉強が得意ではありません。
そこで、先生はA君に『得意科目』を持たせようとしたのです。
「これだけは、やり遂げた!」ということが、それまで無かったので、
勉強することに自信がなかったのです。
先生は、そこを改善するために、A君には何をさせればいいのか、
A君の性格を分析して、日本史に決めたのでした。
K君は、英語は偏差値50台の前半くらいでしたのですが、
暗記科目と言われる社会は、成績向上は見込めませんでした。
「英語は理屈だ!」という先生のモットーが背景にあるのでしょう。
K君の「論理に強い」面を利用して、数学で受験させようとしたのです。
2人の猛勉強が始まりました!
A君とK君とは、中学からの仲良しで、サッカー部の選手でした。
部活が終わってから塾へ来るので、7時過ぎにしか来れません。
先生の指示が出てから、2人は塾だけで勉強することを決めました。
平日は5時間の学習時間を確保して、土日は部活以外は塾で勉強。
はじめに、勉強の時間配分を決めて、お互いに確認してから実行します。
塾は、先生はできるだけ遅くまで生徒と付き合ってくれますし、
高校生は、教室の鍵を持っているので、自由に勉強できます。
帰りは、2人の親が、当番制で送迎してくれました。
夏休みに入り、部活が終わった2人は、
1日12時間以上、塾に来て勉強しました。
先生も、夜食を作ってくれたりして、応援してくれました。
先生を信頼しているので、「先生の指示をそのまま実行するだけだ!」
という安心感もあり、支持された勉強に没頭できました。
特効薬は効いたのか?
A君は、9月の全国模試で、日本史の偏差値は79を取りました。
K君は、同じ模試で、数学の得点が90点になりました。
2人とも、塾へ来るなり塾長室へ成績結果を見せに行きました。
2人とも、英語の偏差値も10点ほど上がりました。
2人の猛勉強は冬休みまで続き、
その結果、2人とも3教科の偏差値は60台前半まで上がりました。
2人とも、第一志望校へ進学していったのは言うまでもありません。
「自分の成績の柱となる科目を持てる人は、
ほかの科目の成績も伸ばすことができます。
どの科目を柱とさせるのか、
どうやって他の科目の成績も上げれるようにするのか。
指導とは、それが的確にできることですよ。」
もっとも必要な科目を見つけて、一点に集中して取り組むこと。
そうして、成績の柱を作って、全体の成績を上げていく。
わかっているようで、実際にはなかなかできない。
でも、それが、短期間で成績を飛躍的に上げるための特効薬なんです。