いろいろな「整数問題」を学びましょう
整数の基本的な扱い方を学びましたね。
今回は、少し「考える整数問題」と取り組みましょう。
[1]38をある整数で割ったら、余りが5になるという。このような整数をすべて求めよ。
問題の中に「余りが」という言葉が出てきましたね。
こういう問題では、ほとんど『余りの公式』を使うんですよ。
《余りの公式》
(割られる数)=(割る数)×(商)+(余り)
ただし、0≦(余り)<(割る数)
この『余りの公式』を使う場合には、問題にでてこないものは文字で置きます。
(割られる数)は38、(割る数)は「ある整数で割ったら」とあるのでAと置きます。(商)も何も書いてないのでPと置きます。(余り)は5ですね。
これを式で表すと、
38=A×P+5
となるでしょう。ここで、基本の形 N=a×b の約数・倍数に持ち込みます。
5を移行すると、
33=A×P
となって、基本の形になりましたね。
Aを求めるのですから、「Aは、33の約数である」と読みます。
33の約数は、1・3・11・33の4つですね。
ここでただし書きを確認します。A>5の条件を忘れないようにしましょう。
よって、答えは 11と33 になります。
[2] 9の倍数で、200に最も近い整数を求めよ。
9の倍数は、nを整数として、9×n と表せますね。
9×n=200
として計算すると、
n=22 ・・・ 2
となります。n=22のとき198、n=23のとき207となるので
答えは 198 になります。
[3] 7で割ると余りが5になる整数のうちで、400に最も近い数を求めよ。
この問題も「余りが」とあるので「余りの公式」を使います。
(割られる数)を求めるのですね。(割る数)は7、(商)の記述がないので文字で置いてPとします。(余り)は5ですね。
7×P+5 と表せるので、=400とおいてPの値を求めましょう。
7×P+5=400
7×P=395
P=56 ・・・ 3
P=56のとき 397、P=57のとき404
よって、答えは 397 となります。
[4] 縦12cm、横9cmのカードを同じ向きに並べてできる正方形のうち、最も小さい正方形の1辺の長さは何cmか。
並べるのだから、12cmよりも大きくなることは分かりますね。
問題文に「最も小さい」とあるので、「最小公倍数」の問題だと分かります。
12=2^2 × 3
9= 3^2
L =2^2 × 3^2 =36
よって、答えは 36cm となります。
[5] 180になるべく小さい自然数をかけて、ある整数の2乗にしたい。どんな数をかければよいか。また、どんな数の2乗になるか。
「数の性質」に関する問題はまず「素因数分解」をします。
180=2^2 × 3^2 × 5
となります。
「ある整数の2乗」とは、「指数が偶数」であればよいので、
答えは 5をかける です。
そうすると、2^2 × 3^2 × 5^2 となるので、
これは (2×3×5)^2 となるので、
答えは 30の2乗 となります。
このような問題で、整数の扱い方を理解できているかを問います。
まだまだ、いろいろな問題がありますし、確立との融合問題や、2元1次方程式の解を求めるときにも、整数の知識が必要と成ります。
まず、基礎固めだけは“理解”しておくことですね。
《整数に弱い人は、数学が出来ない!》というのが、私の中学生のときの塾の先生の口癖でした。
数学が出来ないお子様の、本当の原因は、このあたりにあるのかもしれませんね。