中学生が苦手とする「整数」のポイント
前回の記事で、
「整数の感覚に欠けている」
と述べましたが、
「どんなことを学ばせたらいいの?」
というお声が聞こえそうなので、まとめてみますね!
整数を考えるための基礎知識
まず、用語の確認をしましょうね。
「整数とは?」
整数は3つから成り、正の整数(自然数)と0(ゼロ)と負の整数です。
「素数とは?」
素数は、「1とその数自身の、約数を2つしかもたない数」のことです。
1は1だけですので素数ではありません。
2=2×1、3=3×1、5=5×1、7=7×1と表せるので
2、3、5、7は「素数」ですね。
4=4×1=2×2と表せるので、4は素数ではありません。
1~50までの素数の見つけ方です。
①1は素数ではない。
②2は素数なので、2以外の2の倍数(偶数)をすべて消す。
③3は素数なので、3以外の3の倍数をすべて消す。
斜めに3の倍数があるのはおもしろいですね。
④5は素数なので、5以外の5の倍数を消す。
10の倍数は2の倍数の時に消えていますね。
⑤50までなら、残るのは7の倍数49を消すだけです。
100までなら11の倍数を消せばいいのですよ。
「素因数分解とは?」
数を、小さい素数から順にどんどん割っていって、
最後に1となるまで割ります。
そうして、素数の積で表します。
例えば、72=2×2×2×3×3 と分解できますね。
これを指数を使って 72=2^3×3^2 と表します。
(2^3×3^2 を、「2の3乗かける3の2乗」と呼びます)
素因数分解をすることで、その数の本質がわかります。
約数と倍数
N=a×bと表せるとき、
「Nは、a、bの倍数である」と言えます。
また、「a、bは、Nの約数である」と言えます。
N=a^p×b^q×c^r と表せるとき、
「Nの約数の個数」は、(p+1)×(q+1)×(r+1)個です。
(「約数の個数」は「指数+1の掛け算」と覚えましょう)
「倍数の表し方」
2の倍数を 2×n=2n、3の倍数を 3×n=3n と表します。
「余りの公式」
「整数Nをaで割った時の商をP、余りをRとする」と
N=a×P+R (ただし、0≦R<P)
公約数と公倍数
「公約数とは?」
2つ以上の数において、「共通な約数」のことです。
「公約数は、最大公約数の約数」で求められます。
「公倍数とは?」
2つ以上の数において、「共通な倍数」のことです。
「公倍数は、最小公倍数の倍数」で求められます。
「最大公約数(GCM)と最小公倍数(LCM) の求め方」
各数を、それぞれ素因数分解をして、同じ素数が重なるように積んでおきます。
最大公約数・・・すべての数に共通な素因数について、
「最小の指数を持つ数の積」で求められます。
最小公倍数・・・すべての数において、
「最大の指数の積」で求められます。
例えば
60 = 2^2 × 3 × 5
126 = 2 × 3^2 × 7
なので、
最大公約数は、2×3=6 と求めます。
最小公倍数は、2^2 × 3^2 × 5 × 7 = 1260 と求めます。
基本知識は、このようなものになります。
次回には、代表的な問題について説明しましょうね。